あたいは雑貨屋を経営している。 主に魔法の武器防具を扱っているが、 自分で使うことのないアイテムなども数多く店に並べている。 だから武器屋というより雑貨屋というほうが正しい。 店の経営で最も難しいのは、 アイテムの値段設定である。 UOに存在するアイテムは、 仕様の変化によって価値が変動する。 昨日までレアと呼ばれていた物が、明日にはゴミになるかもしれない。 実際によくある話だ。 それに気付かずに、いつまでもゴミを高額で売っている店があるとしたら、 その店の経営者は笑われても仕方がない。 あたいのように、 定期的に他のプレイヤーの店を見て歩き、 相場をチェックするのは経営者として当然の習慣だ。 あきらかに値段を付け忘れた4gpの宝の地図を ・・・・・・・・・・・・・ 今日もそんな感じで価格調査に来ている。 無作為にプレイヤーの店を覗いて廻ること3件目。 気になる商品を見つけて思わず足を止める。 クジ と読める説明文の横に、 赤い箱が並んでいた。 鍵がかかっていて中身は分からない。 値段は1つ2000gpである。 2000gp、微妙な金額である。 雑貨屋の店主が2000gpごときで悩むな! と言われそうだが、 調教師としてではなく、 雑貨屋の経営で2000gpを稼ぐのは意外と大変なのだ。 んー いったいこの箱の中身は何だろう。 こういうのって物凄く気になる。 うーん、2000gpかぁ。 何が入っているんだろう・・・ マジック武器かな? 純レアかな? うーん・・・ 何だろう。何だろう。 「 @買う 」 いや、待て待て。 中身の分からない物に2000gpもの金額を払うなんて、 経営者として恥ずべき行為だぞ。 一応、念のために・・・ 「 @透視 」 あたいの声が虚しく響く。 なんだか自分で言っていて情けなくなってきた・・・ ・・・・・・・・・ やはり買って確かめるしかない、か。 ここまで来たら箱の中を見ずに帰れるもんか。 「 @買う 」 2000gpを支払い、あたいの手元に赤い箱が届いた。 くそ!どうやって開けるんだこんちくしょう! 家に持ち帰る時間すらも惜しい。 早く中を見たいのだ! セットに入っていた鍵を見つける。これか! うぅー・・・ 焦っていて鍵がなかなか入らない・・・ カチャッ 乾いた音が響いた。 ドキドキしながら箱のふたを開ける。 中から出てきたのは・・・なんと!! い、いや、でも、 こういうのって、買うまでが楽しいんだよ、うん。 別に悔しくなんかないよ? いやー楽しかったなぁ・・・ いやはや、2000gpという微妙な値段設定に負けたわ。 高いようだけど手の届く値段ですからのう。 まぁ変な物が当たっても、2000gpで夢を買ったと思えば良いし。 まてよ・・・? こういうビミョーな代物なら、 あたいの店の在庫にもいっぱいあるぞ・・・ こういう手段なら一斉処分できるかも!ヽ(`Д´)ノ 思い立ったらすぐ行動。 数分後にはクジ用のベンダーを設置完了(´-`) コインアートで説明文を書く。 さっきの店の真似ですな。 よっしゃ!あたいも頑張って まずはガーゴピック。 相場は1500から2000gpくらいかな。 在庫がうなるほどあるので、 本当はタダでも良いくらい。 坊主丸儲け(´-`) 次はトレハン地図のL1。 相場は2000gp前後。 でもその金額で店に置いてもなかなか売れないから、 こういう手段で消化するのは我ながら良いアイデア(=▽=) 早くもネタ切れの予感(;´Д`) あたいの銘入りのブロンズ武器も入れてみませう。 相場は3000gp前後。 ハズレだと言いやがった奴は殺す!ヽ(`Д´) しっかり鍵を閉め、 鍵と一緒に袋詰めにする。 おお。だんだん形になってきた!(>▽<) とりあえず12セット作りましたのだ。 ヴァンクの弓だとか、 インバルの盾だとか、 処分に困っていた物も投入ヽ(´ー`)ノ さて、 夜も更けてきたし、 今日の作業はこんなもんで良いかな。 明日の朝が楽しみじゃのう〜〜(=▽=) そして翌日。 6時間で全部売れとる!ヽ(`Д´)ノ |