おうちへかえろう 第2話






  ○ 前回までのあらすじ ○

━━真実を知ってしまったその夜、
密かに城を抜け出すEmeraldas王女。
暗がりの中、城を振り返る王女の目には大粒の涙が溢れる。
まさかセバスチャンが内通者だったとは・・・
朝になれば追っ手が放たれるだろう。
それまでに国境を越えなければ・・・
月明かりを頼りに、Emeraldasは必死に走った━━






















































冒頭のあらすじの中で、
少々誤った記述が含まれていたことをお詫び致します。

























あたいは今、フェルッカのダスタード前に来ています。裸で。
前回の日記から2ヶ月。
なんかもう・・・
裸でフェルッカに来た理由が思い出せない。

何をやってるんだ、あたいは・・・
素っ裸のまま途方に暮れる。

裸になるのは慣れているが、
今度の裸はいつもと違う。
服どころか指輪もサンダルも何も無い。
バックパックも完全に空っぽ。
ルーンブックすら1冊もないので家に帰ることも出来ない。

なるほど。
この状態からスタートして、自力で家まで帰れということか。

ようやく思い出した。



現在のあたいのスキルはこんな感じ。
持ち物が何もない以上、
己のスキルを駆使して生き抜くしかない。

動物学、調教、鍛冶、魔法、瞑想、採掘、獣医学。
この中で即戦力となるのは調教スキルくらいか。
せっかく魔法スキルが100あっても何の役にも立たん。




作戦を練っていると、突然PKに襲われる。
・・・というのが理想の展開だったのだが、
残念ながら最初の出会いはヘッドレス君。
なんて空気の読めないヤツだ。



ぬおー!
こいつ意外と強い!っていうか
あたいが弱い!









えめらるは なかまをよんだ!









今回のプロジェクトにおいて、
あたいの最初の部下となったヤギA。









着任後、30秒で殉職。









敵を討て!ヤギB!









成敗!









初めてのお給料は35円。
お金よりも服が欲しい・・・





それにしても、思った以上にヤギは役に立ちそうだ。
しばらくの間は彼らを護衛として採用しよう。
ヤギBとヤギCを従え、いよいよダスタード前を出発する。





































     ━━ 10分後 ━━































ポストを覗く不審者。








あのさ。あのさ。

10分間、歩き回ったんだけどさ。
































人がいない!
















フェルッカって危険な世界じゃなかったのか!?

人を見かけたらPKかシーフだと思え!と教わったのに?

何なんだこの世界は!

せっかく裸の女がフラフラしているのに!

PKどころか、PCがいない!



フェルッカって本当に過疎なんだなぁ・・・



危険が無いと分かった以上、
あたいも考えを改めねばならない。

護衛は2人もいらん。




さあ戦え。
勝ったほうを連れて行ってやる。
あたいの部下に弱き者などいらぬ。
生き延びたければ勝ってみせよ。















































でも勝敗にはあまり関心が無い。















ひとりで旅を続けるていると、
見慣れたローブが落ちていた。

死者のローブ。これって確か、
地面に置くと数分で消えるんじゃなかったっけ。

・・・!
ということは・・・
ついさっきまで誰かがここに?
いや、今も近くにいる・・・?
にわかに緊張が走る。
























いただきます。

多くの読者の期待を裏切り、
早々と全裸を卒業してしまった鍛冶屋。

ある意味、死が怖くない装備だ。









新しい部下にはパンサー君を採用。
しかし一時的な雇用になりそうだ。
というのも、刃物が無いため生肉を調達できず、
彼らに給料(エサ)を与えることが出来ない( ´_ゝ`)











小さな土地。
しかも思いっきり木が被っている。
フェルッカのこんな物件を、
それでも確保する人がいるのか・・・

でもさ。
これくらいの土地ならトラメルにもあるぞ。






























あたいの店の隣。











Ryu-z隊員の家が腐ったから( ´_ゝ`)



空き地になってから数ヶ月。
誰も見向きもしない・・・
そんなにあたいの家の隣は嫌ですか。そうですか。

って、実はこの場所。手前の岩肌の影響で、
スモールマーブルショップしか建てられないのだ。
誰も気付かないのかもしれん( ´_ゝ`)





話はフェルッカに戻って・・・






やった!馬を発見!

・・・っていうか、

鹿を発見!

何が言いたいんだゴラァ!!ヽ(`Д´)ノ




さすが馬。機動力が全然違う。
今まで毒が怖くて近づけなかったようなモンスターも余裕で調教できる。
調教スキルってスゲーな(゜Д゜)






そして・・・!
部下が充実してきた今、
初の強敵、オーガとの死闘!




・・・勝てませんでした( ´_ゝ`)y−~~~














ようやく見つけた文明の灯り。
強固な城壁に囲まれた街だ。
見覚えがある。トリンシックかな。


少しお金も貯まったし、
動物の死骸を解体するために、ナイフとハサミを買おう。



で、



入り口はどこだね?(゜Д゜)y−~~~



衝撃の事実。
6年プレイヤーのくせに、トリンシックの入り口が分からない( ´_ゝ`)

でもまぁ、
この城壁に沿って歩けばそのうち見つかるだろ。


















































た、隊長!
家が浮いてます!ヽ(`Д´)















う、








う、








ヽ( ・∀・)ノウンコー








思いっきり床下に進入。
すごい。半分以上も宙に浮いてる・・・

さすがフェルッカ。歴史が長いだけある。
こういう古い家がまだ残っているとは。
あたいが生まれた直後にトラメルが出来て、その後マラス、徳之島。
新しい土地も多くなった。
フェルッカに今ある小さな家も、これからどんどん減るだろう。
それでも、こういう遊び心のある家は残っていって欲しいな。








日が暮れてしまった・・・
どうしよう。
みちくさばかりで全然進まない( ´_ゝ`)

ちなみに、ここまでに手に入れたもの。

 284円
 ダガー
 死者のローブ


初日でコレ。
いつになったら家に帰れるんだろう・・・( ´_ゝ`)